赤石登場武器について解説(ランサー)じゃ、今回は槍について述べてみましょうかね。まず、ランスとスピアの違い。 Lance=馬上槍 Spear=手槍 こう考えればOKです。 ちなみにJavelinも「槍」ですが、こっちは主に競技用の投槍のことを指します。Spearが狩猟・戦闘用となるわけです。 陸上のフィールド競技「槍投げ」は英語では「Javelin Throw」ですね。 槍は石斧と並び人類史上でも最古の武器です。構造単純だし、その割に強力ですし。 じゃ、槍の中で特徴的なのを幾つか紹介。 三枝槍…生まれた年代は未詳だが、19世紀あたりまで世界各地で使用されていた。長さは1,5~2m。 三つ又になってる理由は非常に単純、「1本より3本のほうが命中率が高い」から。また、これで刺された傷は治りにくい、という特徴もあったらしい(フランベルジュとかバグ・ナクでついた傷のが治りにくそうだが)。 元々は魚捕りのための銛、あるいは牧草をすくうための農具から生まれたもの。 この槍を読むとき頭の中で「トライデント」と変換してる人は多いと思うけど、実はそれ満点の正解じゃぁない。 銛から発達したのをトライデントというのは確かだが、農具から発達したのはフォーク、という。 干草をすくうために上向きにそりのある構造をしているのがフォークの特徴。 人類史上最古クラスの武器ではあるが歴史上世界の軍隊に制式採用されたことはほとんどない。何でかねぇ。 コロッセウムの決闘で有名なグラディエーターの得物ではあったみたいだけど。 またトライデントはカトラスとともに海の男たちの武器でもあった。まぁ銛だから馴染み深いんだろう。 ポセイドンの得物としても名高いし。 斧槍(ハルバード、ハルベルトとも)…15~19世紀ヨーロッパで使用された。2~3,5m。白兵戦の黄金期、ルネサンス時代を代表する武器である。語源はドイツ語で「棒」を表すハルム(Halm)と「斧」を意味するベルテ(Berte)から。 日本じゃハルバード、と呼ぶ人が多いけど多分本場考えるとハルベルトのが正しい。 その名の通り戦斧と槍を組み合わせたような形状をしており、切っ先は30cm程度の斧とその反対側に突起部、そして先端に向かっての鋭い槍からなる。この特徴的な形状により、「切る」「突く」「引っ掛ける」「叩く」という多彩な攻撃を可能とした武器である。 ただの槍であるスピア、ランスに較べて斧部分により段違いの威力を誇る。 16世紀になるとこれをさらに長く強力にした武器が登場する。これが「パイク」である。 パイクの長さは何と5m。しかしこの頃から銃器が発達し従来の武器が時代遅れとなってきたため、パイクはスイス兵が使用しただけにとどまっている。 武器として使用した場合の強力さだけでなく、見た目の優美さから、戦闘で使われなくなってからも儀式やパレードで装飾されたハルベルトは使われ続けることとなる。 ビル…13~18世紀のヨーロッパにおいて使用された。2~2,5m。ビルホック(billhook)または、シックル(sickle)という円形の鎌が原型と言われている。 長い柄の先にカーブした頭部を持つ武器であり、突きより相手を引っ掛けて倒すことに主眼が置かれている。 これは鎧の発達により立ってる相手を突くより相手を倒してから刺し殺したほうが効果的になってきたからである。関節部をキドニーダガーなんかで突いてたんだろうか。 初期はごく単純な形状だったが、引っ掛けて倒した後そのまま突けるように先端を尖らせたりなどの工夫が施されるようになった。 ビルは斧槍と比較して扱いが簡単だったため熟練した軍隊というよりは民兵たちに愛用された武器である。 二枝槍…正体不明。日本でも最近変態さんを何とかするために学校なんかで復活している(らしい)「さすまた」に似ている気もするが。 西洋で二枝槍、といえばかのキリストを突き刺した「ロンギヌスの槍」が著名ではあるが… ロンギヌスの槍についてはもうワケわかんなくなるくらい色んな説があるのでここでは述べない。述べたくない。 第一ヒトラーも手にしてたとかもうアホかと。 そういう話はエルンスト・ツンデルとか矢追純一とかキバヤシとかに任せる。以上。 一応ハプスブルク家の家宝として現存してるっぽいけど、本物かは分からん。 槍についてが意外に長くなったんで、今回はここまで。 ジャンル別一覧
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